液体と気体のppmについて

ppmとは微量な濃度を指す単位です。
液体(溶液)であれば水道水の不純物、気体であれば空気中の排気ガス、等に用いられています。
しかし、その液体気体のppmには大きな差があります。

子供の頃、「10kgの鉄と10kgの綿はどちらが重いでしょうか?」とクイズをしたことがあるかもしれません。鉄はずっしりしていて、綿はふかふかしているため思わず、「鉄」と答えてしまった人もいるかもしれません。
さて、正解はどちらも10kgなので重さは変わりませんね。
しかし、思い浮かんだように体積にするとかなり差があります。

話をppmに戻しますと、水素水の濃度は1.6ppmと書かれています。
これは水1リットルに水素分子が1.6mg溶けているという濃度です。
ですから、1.6ppmの水素水500mlでは0.8mgの水素分子があります。
では、その1.6mgの水素を全て気体で取り出すとどうなるでしょうか?
なんと17.6mlの水素ガスになります。
気体のppm(1ppmは0.00000001%)は1リットル中の濃度なので0.000176%になります。
1.6ppmの水素水は水素ガスで表現すると17,600ppmが溶けているということになります。

水素の測定は溶液中に溶けている水素分子を測定する機械(電極を用いるもの))とガス中にふくまれている量を測定する機械(ガスクロマトグラフィー)があるので、目的に応じて正しい機械を使い分ける必要があります。

水素水のパッケージで飲みかけでキャップをするなら中の空気を押し出してから締めるように書いてあるのは、一口飲めば20mlくらいは空間ができるので、そこに徐々に水素が抜けてしまうからです。アルミパウチの水素水がアルミ缶より水素濃度が高いのは、アルミパウチは製造時に空間を少なくすることができるから、ということでもあります。

水素は宇宙で一番小さく軽いので、単位の表記の仕方でたくさん入っている様に見せることもある様ですが、今後は表記の仕方などを統一していく必要があるのではないでしょうか。

本来的には水素水の表記はppmではなく1.6mg/ℓで表記する方が良いかもしれませんね。

※2016/03/04追記
1.6mgの水素分子は分子量2なので、0.8ミリmol。
ざっくりと22.4リットルを22リットルとして計算すると
0.8(ミリmol)×22(ℓ)=17.6ml
としました。

標準状態は1997年より22.7リットルに変わったそうです。
厳密にするなら、1.6ppmは水温20℃付近なので、
25℃では1.55ppmが飽和濃度
0.775(ミリmol)×22.4(ℓ)=17.36 ml
0.775(ミリmol)×22.7(ℓ)=17.5925 ml
となります。

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