第7回日本分子状水素医学生物学会

日本分子状水素医学生物学会に参加してきました
シンポジウムから学会に発展したもので通算7回目になります。

発表数は昨年よりも多く、また内容も多岐に渡る分野での発表がありました。

  • 臨床試験での結果や取り組み
  • 遺伝子発現にもたらすメカニズムについての研究
  • 生体内における反応や影響

NatureMedicineで2007年に世界で初めて、分子状水素(水素分子)の抗酸化作用が発表され、今年は10年にあたります。

「生命」というものに向き合うと研究し尽くすということはないのでしょうが、
酸化ストレスという根本のものからアプローチすることで医学研究は凄いスピードで進んでいると思います。

これまでも水素を投与するタイミングについても検討がされていましたが、
今回の学会では特にどの病態や症状において、どれくらいの水素が有効か、という意識があるような印象を受けました。

これからも当社としては研究者の方を応援していき、長い目でより多くの方へ貢献したいと考えています。

2017という10年目

水素医学の最初の論文である「Hydrogen acts as a therapeutic antioxidant by selectively reducing cytotoxic oxygen radicals.」が2007/5/8にNature Medicineに論文発表され、10年目を迎えました。
水素医学は世界中で研究され、論文は500報以上になり、引用数は600報以上にもなっています。
その影響については極めて大きく、また科学的には例外とも言えるほどの速度です。分子状水素は「揺るぎない根拠」があることを証明されていることにもなると思います。
インターネット上での検索数は最近落ち着きを見せていますが、この10年目は超高齢社会や医療費などの課題がある現代社会において、活用を含めて水素の在り方を模索していきたいと考えています。
企業の本質は利益を社会貢献に還元することですが、事業以外でも水素を必要とする方に一人でも多くに届けられるように、努めていきたいと思います。

水素水の水素濃度測定の意義について

ここ最近、水素水が話題に上がることが増えてきました。
しかし、インターネットを見てみると意外と否定的な意見も多いですね。

まず、科学的に理解できない方のご意見にはこのようなものがあります。
「水は水素と酸素で出来ているから水を飲むだけで良いんじゃない?」
→これは物質に関する概念が間違っています。紙(セルロース)を食べれば、ご飯(デンプン)の代わりになるんじゃない?と言っているようなものです。
分子状の水素は2007年までは不活性なガスで反応するわけない、というのが常識でしたが、
2007年にNatureMedicineから酸化力が非常に強い活性酸素と反応するということが発表されました。
水素水だから効果があるのではなく、水素分子があるから効果があります。水と水素と紛らわしいだけかもしれません。常識というのは科学の進歩によって少しずつ変化するという事を理解する必要があります。

次に、情報が選別できていない方のご意見です。
「水素は似非科学でしょ?」
→インターネットの情報の海で漂流していて「活性水素水、アルカリイオン水」などと情報を混同している方も多いようです。水素水の「水素」は分子状の水素(水素分子)で「水素自動車」の水素も「水素水」の水素も一緒です。水素の性質は科学的なものなのでメーカーによって変わるはずがありません。開封しても特殊な水素だから抜けません、特殊な状態で他のメーカーのように測定できません、というようなことを記載している商品は、その情報をしっかりと見極めていく必要があります。

最後に、冷やかしと被害者のご意見。
→もちろん、被害を被ったり、偽物をつかまされていたら、確かに嫌ですね。その商品や企業だけではなく、水素水業界全体も嫌になるかもしれません。それでも、ちゃんと頑張って良い製品を届けようとしているメーカーも数多くありますし、きちんと使用して医学的に役に立てようとしている医師や研究者も大勢います。

私は数年ですが水素に関わり、水素の利用可能性はエネルギーだけではなく健康や食料生産等大きな利益をもたらしてくれるものだと思います。
水素水や水素関連製品の品質を測定することの重要さを感じています。

新年のご挨拶と会社としての2016展望

水素の医学研究が始まり、11年目になりました。
2016年1月には太田成男チームから新たに論文が発表され
水素分子の効果についてメカニズムが明らかにされました。
原文:http://www.nature.com/articles/srep18971
和訳(要約):http://shigeo-ohta.com/topics91/

ここ数年を振り返ってみると、加速度的に市場は成長していると感じますが、
消費者をミスリードしながら水素関連商品を販売する企業も目立ってきていると思います。
本年も多くの方に向けて、水素の正しい普及に務める所存です。

どうぞよろしくお願いします。

液体と気体のppmについて

ppmとは微量な濃度を指す単位です。
液体(溶液)であれば水道水の不純物、気体であれば空気中の排気ガス、等に用いられています。
しかし、その液体気体のppmには大きな差があります。

子供の頃、「10kgの鉄と10kgの綿はどちらが重いでしょうか?」とクイズをしたことがあるかもしれません。鉄はずっしりしていて、綿はふかふかしているため思わず、「鉄」と答えてしまった人もいるかもしれません。
さて、正解はどちらも10kgなので重さは変わりませんね。
しかし、思い浮かんだように体積にするとかなり差があります。

話をppmに戻しますと、水素水の濃度は1.6ppmと書かれています。
これは水1リットルに水素分子が1.6mg溶けているという濃度です。
ですから、1.6ppmの水素水500mlでは0.8mgの水素分子があります。
では、その1.6mgの水素を全て気体で取り出すとどうなるでしょうか?
なんと17.6mlの水素ガスになります。
気体のppm(1ppmは0.00000001%)は1リットル中の濃度なので0.000176%になります。
1.6ppmの水素水は水素ガスで表現すると17,600ppmが溶けているということになります。

水素の測定は溶液中に溶けている水素分子を測定する機械(電極を用いるもの))とガス中にふくまれている量を測定する機械(ガスクロマトグラフィー)があるので、目的に応じて正しい機械を使い分ける必要があります。

水素水のパッケージで飲みかけでキャップをするなら中の空気を押し出してから締めるように書いてあるのは、一口飲めば20mlくらいは空間ができるので、そこに徐々に水素が抜けてしまうからです。アルミパウチの水素水がアルミ缶より水素濃度が高いのは、アルミパウチは製造時に空間を少なくすることができるから、ということでもあります。

水素は宇宙で一番小さく軽いので、単位の表記の仕方でたくさん入っている様に見せることもある様ですが、今後は表記の仕方などを統一していく必要があるのではないでしょうか。

本来的には水素水の表記はppmではなく1.6mg/ℓで表記する方が良いかもしれませんね。

※2016/03/04追記
1.6mgの水素分子は分子量2なので、0.8ミリmol。
ざっくりと22.4リットルを22リットルとして計算すると
0.8(ミリmol)×22(ℓ)=17.6ml
としました。

標準状態は1997年より22.7リットルに変わったそうです。
厳密にするなら、1.6ppmは水温20℃付近なので、
25℃では1.55ppmが飽和濃度
0.775(ミリmol)×22.4(ℓ)=17.36 ml
0.775(ミリmol)×22.7(ℓ)=17.5925 ml
となります。

第5回分子状水素医学シンポジウム

こんにちは。太田です。
2015年2/21,22に名古屋ウインク愛知にてシンポジウムが行われました。
今年で第5回目を迎えましたが、とても良いシンポジウムだったのでご報告致します。
シンポジウムというと聞きなれないかもしれませんが、意味としては「特定の問題について意見を交換する」ということなので、所謂研究会に該当します。

そのまま「研究会」という名前でも良いのでしょうけど、水素については志がある方と無い方がおられ、ムムムな商品だけじゃなく、似非科学の研究会まであり、差別化をきちんとするためのようです。

ちなみに分子状水素とは水素分子、H2のことで非科学的なものときちんと区別しています。

発表自体は専門用語が多く、一般の方は参加しにくいのですが、とても良いシンポジウムでした。
というのも、上記の背景があるためか、研究者の方はもちろん、参加した企業の方も一生懸命、聴いています。
バックグラウンドや経験、知識等多様になりますが、そんな中でも、誰もが水素について、医学について、健康について、一つでも知識を深めたい、という意識を持っておりました。

さて、研究段階の話もあるので、正確にお伝えするのは難しいのですが、個人的には、麻酔についての話が特に興味深かったです。

麻酔がないと手術はできませんが、それに伴う副作用を水素が軽減できる可能性がある、ということ。

毒も薬も紙一重でそれを研究者の方はどう有効に安全に用いるかと、研究しているので、我々一般人の安全があるのだな、と思いました。

その他にも緊急疾患において水素を臨床で使用することや、諸々の疾患への可能性の検討などもとても勉強になりました。

「水素」という一つの物質を中心に、自身の領域でどう応用して社会に役立てるか、そんなことを考える貴重な場所と時間になりました。

これから水素を応用的に用いることで医学はさらに進歩するでしょうし、世の中にどんどん広まると思います。

ちなみに当社や参加した企業は審査を受け、賛助会員として参加します。
賛助会員とは研究を応援している、ということなので、賛助会員だから商品がどうとかということはありません。
但し、前提として正しく水素を扱っていないと審査で参加もNGになります。

余談ですが、昨年は200人くらいでしたが、今回は250人くらいで会場に立ち見が出るくらいでした。

5期目を迎え

こんにちは、太田です。
2015年4月に当社は5期目を迎えました。
皆様の多大なご支援に厚くお礼申し上げます。

さて、水素の医学研究が2005年に始まり今年は10年目です。
また水素自動車も発売され、今年は「水素元年」として注目の水素です。

水素はエネルギーとしてはエコな原料ですが
生体についての効果は2007年「Nature Medicine」に
日本医科大学の太田成男教授らの
Hydrogen acts as a therapeutic antioxidant by selectively reducing cytotoxic oxygen radicals.
論文発表されたのが始まりです。
水素分子が抗酸化剤として疾患の予防と治療に応用できることを科学的に証明した最初の論文で、
それを元にした研究が世界中で400報以上も報告されています(2015年3月末時点)

英語の論文なので、タイトルを訳すると「水素分子(H2)は活性酸素種の中で最も反応性の高いヒドロキシラジカルを選択的に還元し、細胞を酸化ストレスから防御することを示し、さらにラットに水素ガスを吸引させることで脳の虚血再灌流障害が抑制できることを示した」
となります。

水素は宇宙で最も小さな物質で、体内でも血流ではなく拡散によって細胞内に届きます。
水素はエネルギーとして利用できるくらい無尽蔵にある資源で、
水を電気分解することやバイオマスからの抽出、化学合成等様々な方法で取り出すことができます。

ある意味、従来の製薬とは全く異なる成り立ちの水素、それを健康と医学に利用できるようにするのが当社の使命です。
医学研究と水素産業の橋渡しとして、全体をボトムアップすることを担えれば幸いです。

水素の無限の可能性について

この度HPをリニューアル致しました。

これまで水素について無限の可能性に惹かれたことから
いくつかの事業に関わらせて頂きました。

水素は医学研究において2段階の働きを行います。
一つは悪玉活性酸素のみを無害な水に変えること。
もう一つは生体のバランスを調整することです。

後者はあまり耳慣れないかもしれませんが
遺伝子スイッチの発現、と表現される時もあります。

生命というものは実に複雑なメカニズムでバランスを保っています。
それは食物の分解吸収からホルモンの産生等、現代の科学で
機械に人間と全く同じ機能を持ったことはできません。

命とは何ぞや、ということも多くの科学者や哲学者が解明を試みても
唯一の答えには辿りついていないのではないでしょうか。

話はそれましたが、生体のバランスが崩れると、
老化や病気様々な不調につながります。

例えば、歯周病等の炎症はシグナルが伝わり、口腔内だけではなく
身体全体の炎症反応まで及びます。
アレルギーも身体の過剰反応で制御が効かなくなりますし、
脂質代謝もホルモンが影響します。

私たちの身体は生きる中で様々な状況に適応すべく
抑制したり、産生したり、と色々頑張っています。
活性酸素が重要な役割をしていると分かったのも
ここ十数年以内のことですし、身体のバランスが崩れても
適度に調整するものはありませんでした。

水素は必要なものは産生し、不要なものを抑制する、という
凄すぎる結果をもたらしてくれます。
人間の生きる意志、能力というものは無限大だと思います。
でも健康が伴わなければ、それを成し得ることも困難です。

水素は二段階の働きで、お手伝いしてくれる世界で一番優しい成分です。

これからも当社は水素と共に社会貢献に携わる所存です。
今後ともご指導のほど、よろしくお願いいたします。